利用者の健康を守るため、介護施設は感染症の予防に注力しなければいけません。
介護施設での集団感染はいつ起きてもおかしくはなく、実際、介護施設での集団感染がニュースになったこともあります。
2020年頃から数年にかけて流行した新型コロナウイルスのように、予防が難しい感染症が存在するのは確かです。
しかし、介護施設での集団感染は単純ミスにより起こったケースも多く、過去の事例を参考にして、同じような失敗をしないよう心がけることは非常に大事です。
2007年発生の、利用者と職員の間でノロウイルスが大流行した事例では、感染経路は特定されませんでした。
この時に原因として推測されたのが、職員の手洗いが不十分だった点、嘔吐物の処理に消毒薬を使用しなかった点です。
手洗いを行っても、ウイルスや細菌を完全に落とせるわけではありませんが、それでも感染の可能性を下げる効果は期待できるので、石鹸を使っての手洗いを怠らないようにすることは極めて重要です。
そして、嘔吐物や体液の処理は感染のリスクの高い行為なので、面倒であっても消毒薬を使用する、手袋を着用するなどの対策を怠ってはいけません。
2019年には老人ホームでインフルエンザの集団感染が起こっており、最終的に高齢者7人が亡くなられています。
最初にインフルエンザを発症したのは職員の1人で、その後、同僚や利用者に感染が広がっていきました。
外から細菌やウイルスが持ち込まれて大流行につながるパターンは多いので、体調が優れない場合は、無理せず休むことが大事です。